トラブルの原因は声。モテるのも声
●人間関係のトラブルを引き起こす最大原因は、声
言葉と意識関係(心理的影響)を専門とする私のもとへは、言葉や声に関する相談が多く寄せられます。
内容は、
「職場の人間関係がうまくいっていない。声が原因と思われる」
「この歳になって恋人ができない。声が可愛くないから?」
「そろそろ結婚したい。声が悪いと良い関係が長続きしないと聞きました」
のように、言葉そのものよりも、「声と人間関係」に関する相談が多い。
人間関係のトラブルを引き起こす最大要因は、声です。
人間関係のトラブルを引き起こす要因
1位―発声
2位―コミュニケーション不足
3位―性格的要因
つまり、良い声で、頻繁にコミュニケーションをしていれば、トラブルの大部分(86パーセント)は避けられたはずなのです。
ところで、ボイストレーニング(発声練習)をしたことがありますか?
対人関係のトラブル要因のトップが声なのに、ボイストレーニングをしたことのない人が多いのは、驚くべきことです。
欧米では声に磨きをかけるのは常識で、米国では大統領でさえ専門のボイストレーナーについて声を鍛え、対人コミュニケーションの武器としています。
日本は残念ながら、「発声後進国」と呼ばれています。
「どうして日本人は汚い声で話すのか」と欧米人に質問されても仕方ない現状が、たしかに今の日本にはあります。
●発声のトレーニングにはイタリア語の母音が最適
発声トレーニングは、いきなり母語(私たちにとっての日本語)の台詞を使うと、うまくいきません。
たとえば、自分の名前をフルネームで声に出して唱えてみてください。
どこかに「照れ」が入りませんでしたか?
幼少時から慣れ親しんだ母語は、本人にとって特別な言語です。
そのせいで心理的要因が絡み、純粋な発声練習が難しくなります。
イタリア語は、少なくとも日本語に比べて、そして私たちの多くのとっての英語に比べて、なじみの薄い言語でしょう。
ですから、たとえば「マーレ」(海)という言葉を、心理的要因による歪みなしに、しかも「ちゃんと意味のある言葉」として、純粋に音を意識しながら発声しやすいのです。
もう一つ、イタリア語の母音が好都合である理由を挙げておきます。
それは、イタリア語が音楽的言語であるという理由です。
●歌だからこそ、わかりやすい
先日、ある受講生がこんなふうに言いました。
「共鳴って、歌だからこそわかりやすいんですね」と。
そう、日本語の台詞を取り出して共鳴のトレーニングをしても、なかなか体感できない。
ところが、母音が素直なイタリア語の歌で共鳴を練習すると、実にわかりやすい。
気づけば、しゃべるときにも共鳴を美しく使えるようになっている。
イタリア語の歌は、最高のボイストレーニングなのです。
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