大人の女性にふさわしい成熟した声と話し方
●国際的に通用する大人の発声法を身につけよう
ここのところ、女性誌の取材を受ける機会が増えました。
ターゲットとする読者が女性ですから、取材のテーマも「女性の声」。
「恋愛がうまくいく声」だったり、「職場の人間関係がうまくいく声」だったり。
特に最近は、「大人の女性」というキーワードで話を求められる場合が多い。
たとえば、「大人の女性にふさわしい発声法はありますか」
「大人の女性として恥ずかしくない話し方を教えてください」等など。
そこで今日は、大人の女性にふさわしい声とは何か、
どんな話し方が大人の女性にふさわしい話し方なのか、お話しします。
1. 共鳴の利いた、しっかりした声
1.共鳴の利いた、しっかりした声
日本人にありがちな「横開き」の声は子供っぽい。
生っぽい喉声でがんばって押してしまうのも、
幼い印象を与えてしまいます。
押すのではなく、共鳴の力で「声を飛ばす」のが
大人の女性にふさわしい発声法です。
2. 一拍置いてから話す
会話のときに、相手の言葉が終わるか終わらないかのタイミングで
被せるように話し出すと、幼いノリを感じさせてしまいます。
落ち着いて、一拍置いてから話し出せば、
大人の余裕を感じさせることができます。
3. 略語は最小限に
略語を多用すると、幼く聞こえます。
特に日本語でやりがちな「四文字略語」は
成熟を感じさせない言葉なので気をつけましょう。
これは「志村けん」を「しむけん」と略すようなやり方のこと。
(「ら」ぐらい言ってあげてもバチは当たらないでしょうに)
「ボイストレーニング」を「ボイトレ」と略すのも、同じタイプです。
この「四拍の略語」を生成するのは日本語に特有の現象で、
必ずしも「言葉を短くしたい」という欲求から生まれる略語ではなく、
「四拍子に気持ちよさを感じる」という日本人の特性があるようです。
逆に、ワルツのような三拍子は、日本人には難しい。
(スタバ、ロイホなどの例もありますが、二拍に近い発音をします)
まあ、何拍かという問題ではなく、略語の多用は「きちんとしている」
という印象を与えにくいので、注意が必要です。
年齢を重ねるにつれて、「これまで略語を使っていた言葉を
正確に言うように心がける」というやり方で、
少しずつ略語の割合を減らしていくといいでしょう。
4. センテンスで話す
書き言葉としても実用に堪えるような、
しっかりしたセンテンスで話すと、
成熟した大人の印象になります。
文末は句点「。」まで意識しましょう。
特に目立つのが、名詞の言いっぱなし。
たとえば、「それ、何?」と質問されたとき、
「お茶」と名詞だけで済ますような話し方は、
丁寧さに欠けて大人の話し方とはいえません。
「お茶です」と最後まで気を抜かず、
特に「です」を丁寧に、聞き手の前に置くような気持ちで
発音するといいでしょう。
――と、大人の女性にふさわしい発声や話し方を
いくつか挙げてみました。
“カワイイ”至上主義はそろそろ脱却して、
国際的に通用する成熟した大人のやり方を目指しましょう。
テノール齋藤(齋藤匡章)はいつも、
声のサロンで大人の女性にふさわしい発声を
指導しています。
「イタリア語の歌が歌え、良い声で話せるようになる」この声のサロンは、
大人向けの話し方ボイストレーニング――“ボイトレ”ではなく――なのです。
一生使える発声法を身につけてください。
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