悪声と美声、モテるのはどっち?
第2章
4.恋愛は声で決まる
誰の言葉だったか、「人間関係が人生を決める」と聞いたことがあります。
「恋愛が人生を決める」という意味の言葉も、古今東西多くの詩人が語っています。
幸せになるのも、不幸になるのも、どんな人とどんなふうに関わるか、で決まるのでしょうね。
確かに恋愛はわかりやすい。素敵な彼と付き合って、大事にされれば幸せだし、ギャンブル好きのロクでもない男を間違って好きになってしまったら不幸です。
では、恋愛が人生を決めるとして、その恋愛は何で決まるか、ご存じですか?
答えは、「声」です。
なぜ声がそこまで大きな影響力を持つのか、心理学的な立場から説明しておきましょう。
見た目と、声――この二つは周囲の人に影響を及ぼします。
「美人」「かわいい」「キレイ」「イケメン」みたいに、外見を評する言葉はたくさんありますから、見た目という視覚的要素が相手に何らかの影響を及ぼすのはわかりますね。
声という聴覚的要素にも影響力があることを、ここまで読み進めてくれたあなたなら、もう知っています。
では、視覚的要素と聴覚的要素には、どんな違いがあるのでしょうか。
それは、「意識化されるかどうか」の違いです。
視覚的要素は、意識化されます。だから「あ、キレイな人」「すっごくかわいい」などと言葉として出てきます。
聴覚的要素は、意識化されにくい。だから「あ、良い声」「この声、嫌い」という具合には反応しにくい。
そのせいで、後で思い出してみて「わかった! 私、あの人の声が嫌いなんだ」とようやく意識化できたり、人から「あの人、良い声だよね」と言われて意識的に聴いてみて「なるほど良い声だ」とやっと気づいたりするのです。
私は仕事柄、人の声を良く聴いていますが、「良い声ですね」と評すると、「そんなふうに言われたのは初めてです」という返答が不思議と多い。
美人に「美人ですね」と言ったところで、そんな評価は生まれてこのかた何回もされているでしょうが、声について評された経験は皆無である人が多いようです。
さて、難しいのはここです。聴覚的要素が意識されにくいのであれば、声はそれほど影響力が大きくないのではないか。
なぜ実際には、声が恋愛を左右するほど強力なのか。
それは、意識化されない無意識の世界のほうが、意識化される世界よりもずっと大きくて、私たちの好みや感情に影響しているからです。
しかも、意識化できていないということは、コントロールできないということでもあります。
意識化できていれば、「形が好き」「色がキレイ」と理由を挙げて「だから好き」と自覚できます。
しかし、意識化できていない場合、理由を挙げることができないので、「なんか好き」「なんか嫌い」という反応をせざるを得ません。
わかりやすくいうと、あなたが良い声で話せば、彼はあなたのことを「なんか好き」と感じます。
声が原因であるという自覚なしに。
反対に、嫌な声で話せば、これまた原因を自覚せずに、あなたのことを「なんか嫌い」と感じます。
しかもコントロールできないのですから、「好きになろうとしても、なれない」「嫌いになろうとしても、なれない」のです。
もう一つ、わかりやすい説明をしておきましょうか。
想像してみてください。変な声のイケメンと、良い声のフツーの人、どっちが素敵か。
圧倒的に後者です。
前者は、初めのうちこそ「あ、カッコイイ」なんて反応してしまうかもしれませんが、声を聴いているうちにだんだんと気持ちが冷めてきて、いたたまれなくなります。
だから、「ドラえもんの声でしゃべるキムタク」よりも「美声の森本レオ」のほうがはるかにモテるのです。
それはもう、比較にならないくらい。
声が恋愛を決め、恋愛が人生を決める。したがって、「声が人生を決める」ということになりますね。
声があなたの人生に及ぼす影響を、もう一度考えてみましょう。
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