悪声と美声、モテるのはどっち?
第2章
2.声が悪いと絶対にモテない
声が悪いと、モテません。なぜなら、音声は聴く人の「気分」に強い影響を与えるからです。
眠りたいときに、道路工事の騒音が響いてきたら、心穏やかではいられないでしょう。好きな音楽を聴いていて、10秒に1回のペースで音程を外されたら、これまた気分が悪くなるでしょう。
音と人間の聴覚には不思議な関係があって、音の大きさには順応しやすい反面、質にはちっとも順応しません。
わかりやすく具体例を挙げてみましょうか。
新幹線のガード下で営業しているラーメン店があります。お客さんはたまに来るので、食事中に新幹線が通過すると、しばし手と口を休めて天井を見上げ、驚いたような、ちょっぴり不安そうな顔をします。
ところが、店員さんたちはいたって涼しい顔。それはそうですよね。15分に1回ぐらいは新幹線の「ゴーッ」という音を聞いているわけですから。
音の大きさにはなじんでしまうのです。
大きさに順応して鈍感になっているケースをもう一つ。
カーオーディオの音が大きすぎて、車外にまで振動が響いてくることって、ありますよね。まるで騒音の垂れ流しみたいに。
紅茶サロン・メイフェアでは、イタリア古典歌曲が静かに流れているので、その手の車が信号待ちで停まると、店内にまで騒音が聞こえてきます。
「これだけ距離があって、しかも車もこちらも締め切っていながらこんな音が聞こえるということは、車内の人はどんな耳をしているんだろう」と心配になることがあります。
しかし、心配はいらないんです。音の大きさには順応するので、本人たちには「おかしくなりそう」と両手で耳をふさぐほど強烈な音として聞こえているわけではなく、むしろ「ご機嫌」になっているのですから。
このように、音の大きさには簡単に順応してしまう反面、音の質には慣れません。
黒板を爪でひっかく音、嫌いですか?
あの音を一日中聞かされたら、そのうちに慣れてくると思いますか?
残念ながら慣れません。おかしくなるでしょうね。
音の質に順応しないおかげで、良いこともあります。良い音楽は、何度聴いても良い音楽でしょう。「もう慣れちゃって、良さがわからなくなった」なんてなりません。
ここに、「声が悪いと絶対にモテない」理由があります。
「良い声じゃないけど、慣れちゃったから大丈夫」と言ってもらえず、話せば話すだけ声の影響が永続してしまうのです。
しかも、声の影響が相手の気分を変え続ける。
だから、「ずっと聴いていたいなぁ」と感じてもらえるような声で話すことが大事なのです。
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